Podea-01のカットで紙が茶色くならないようにする方法


 Podea-01でペーパーカットしてみてびっくりしたことナンバー1(と私が勝手に思っていること)は、カットした紙が茶色くなる」ってことだった。特に裏側がすごく変色する。えーっ、レーザー加工機ってこういうものなの? と疑問に思ったが、そんなはずはないよね。レーザーカット加工した市販のペーパークラフト模型をいくつか持ってるけど、そんなことないみたいだし。いや、よーーーく見ると、それらの製品もカットした部分の周辺がちょっとだけ茶色く変色しているけど、Podea-01ほど茶色くない。やっぱり、レーザーパワーが大きいと、スパっときれいに切れるんだろうか? もっと高級な機種を導入すべき? いやいや、ちょっとだけ工夫すれば、少しましになる。今回は、そんな話。でも完全には治らないので、期待しすぎないように。

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(※どうでもいいけど、Podea-01をオンにすると、この写真のように、青い弱い光が照射されてるねぇ。最初からこうだっけ、知らなかった)

カットした紙が茶色くなるんですが………

 レーザーカット加工すると紙が茶色くなるってどういうことかっていうと、こういうことだ。次の写真は、4種類のカット速度で白い紙をカットしたところだ。詳細は以前の「Podea-01は白い紙のカットが苦手!?」を見ていただきたいが、厚さ0.18mmほどの白い紙(マンガ投稿用として売られている、ハガキサイズの紙)を、4種類のレーザーパワーでカットしたものだ。レーザー出力は「100%」のままで、カット速度(ヘッド移動速度)を「9mm/sec」「8mm/sec」「7mm/sec」「6mm/sec」の4通りで試している。

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 用紙をPodea-01のMDF板の上に直接置き、ヘッド距離を調整後、速度を変えながら順に4回カットした。今日は調子がよく(!?)、左端はほんのちょっとカット残りがあるが、8mm/sec以下ならほぼ完全に裏までカットできているみたいだ。前のときは7mm/secでもちょっとカット残りがあったのに。違うのはヘッドの高さ調整のせいか? きちんと設定を追い込むと8mm/secでも大丈夫なのかもね。

 さてカット結果であるが、上の写真ではちょっと分かりづらいかもしれないが、右の方がやや薄茶色になっている。えっ、分からない? じゃあ裏側を見てみよう。次の写真参照。

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 見ての通り、かなり変色している。色が付いているだけじゃなくて、実際にはかなり「煙臭い」。紙が焼け焦げた臭いがずっと残っている(カット中の排気口からする、あの臭いだ)。この写真だと左側の方が茶色いが、それだけより多く変色しているってことだ。前の写真と比べると、(左右が反対になっているので注意)、カット速度が遅い方がより多く焼け、その分変色も多くなっている。逆に言うと、裏の変色が少ない(白い)と、それはカットが裏まで到達していない、ということでもある。

 で、この変色の正体は何かというと、それは紙が焼け焦げたときの煙というかヤニ、だな(正確には炭?)。カット中はかなり煙が発生しているが、それが回り込んで紙にくっついて茶色くなっているみたいだ。図にするとこんな感じ。

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(※いやぁ、大変だったよ、この図書くの)

 のぞき窓からのぞいていると、レーザーが紙を焼けば紙が燃え、ついでにその下のMDF板も燃え、そこからかなり大量の煙が発生しているのが分かる。で、その(ヤニを含んだ)煙が紙と下のMDF板の隙間から広がって紙に付着する。下面の方が広範囲に広がっているのは、紙とMDF板の隙間が狭く、その分遠くまで広がるからであろう。カットした所から、目視では最大で1~2mmほど広がっている。激しいと3mm以上にまで及ぶこともあるけど、これはレーザーパワーが強すぎだからだろう。表側は、境界ははっきりしないが、薄く広がっている感じ。

変色するのを防ぐには?

 じゃあ、紙が茶色くなるのを防ぐにはどうすればいいか? そりゃあ、簡単でしょ。煙を出さないようにすること。と思ったが、レーザーで焼く以上それは無理。なので、代わりに煙をなるべく紙に近づけない、遠ざける、吹き飛ばす、吸い取る、とかが考えられる。

 市販の高いレーザー加工機だと、材料を置くところはMDF板じゃなくて、アルミのハニカムパネルになっている。ハニカムパネルってのは、↓こういう奴だ。アルミ板とかで6角形の細かい網目状の構造を作っていて、加工物を支えると共に、煙を下へ逃がすようになっている。そして、このパネルの下には広い空間があって、そこの空気をファンで外へ吸い出している。煙が発生しても被加工物にくっつくことがほとんどないので、大きく変色することはない。うらやましい。でも、レーザー光はどうなっちゃうんだろう? 下まで突き抜けて、底が焼け焦げる? と思ったが、距離が離れるとフォーカスがぼけるので問題ないらしい。

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 でもPodea-01はコストダウンのために、このようなパネルは使っていない。前にPodeaさんに聞いたところでは、そういうパネルはすごく高くて、とてもこのコストじゃ使えない、って言われました。しょうがない。じゃ自分でなんとかするしかないですな。人によっては、ハニカムパネルが含まれる“何か”の製品を買って、それをばらして使うこともあるらしいが、そこまでするのもなぁ。。。

 要は、紙を浮かせることができればいいんだろうから、何かを下に敷けばいいのではないだろうか? と考えて、近所のホームセンターでいろいろ物色してみた。で、見つけましたよ、いいものを。それは「金網」だ。ただの金網だ。何のひねりもなくてすいません。でも金網って、適当に “ぐにゃぐにゃ” 曲がっていて隙間も多い、とりあえずこれを下に敷いて試してみよう。隙間が足らなければさらに何かを下に置けばいいだろう、ぐらいに考えてみた。図にするとこんな感じ。

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 なんか、うまくいきそうな気がした(買ったときは)。

 購入した金網は次のような奴だ。他のホームセンターでも売っているかどうかは知りません、あしからず。網の目の大きさや使っているワイヤーの太さによって、大・中・小の3種類があったが、3種類とも買ってみて、とりあえず一番メッシュの大きい奴を使ってテストしている最中である。ちなみにこいつ、磁石にはくっつきません。磁石で紙を押さえさせようと、磁石入りのバー(金属製のホワイトボードなどに固定する文具)まで買ったのに残念。

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 網目を拡大するとこんな感じ。仕様は「0.6×#12×450×300」と書いてある。ワイヤーの太さが0.6mm、ワイヤーのピッチが2mm(1インチあたり12本だから#12なのか?)、全体のサイズが45cm×30cmである。半分のサイズにすると、A4サイズちょうどぐらいになる。値段はレシートを捨ててしまったのでよく覚えてないが、1000円から1500円の間ぐらいだったような気がする。

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 この金網、よーく見るとワイヤーの断面が丸じゃなくて、表面が平らにつぶされている。つまり、紙などを置いても平面性が保たれやすいはずだ。これはまさにレーザー加工機にうってつけの仕様だ。と、勝手に納得して買ってみた。

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 大・中・小の3サイズがあるが、とりあえず一番重そうな大サイズを使ってみることにした。軽いと網が簡単に曲がって平面性が悪くなるような気がしたからだ。

 さて、サイズがA4の倍ほどもあるので、まずは2つに切り分けようとしたが、堅くてムリだった。切ろうにも、繰り返し折り曲げて金属疲労で切断させよとしても、素人にはムリ。しょうがないので、2つに折りたたんで、折れ目を金槌でぶったたいて2つにきっちり曲げてみた。まねする場合は、ぴったりくっつくように、徹底的に叩きつぶすといいでしょう。

 折れ目はこんな感じ。かなり金網の中に隙間があって、適当に煙が抜けてくれそうな気がする。

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 で2つに折りたたんだ金網をMDF板の上におけば完成。今回は、別のMDF板の上に、とりあえずテープで位置決めのために止めて、それをさらに元のMDF板の上に置くことにした。ホントはもっとちゃんと固定しないといけないんだろうけど、とりあえず実験して効果を確かめるつもりなので、これでよしとしよう。ちゃんと効果があるのが分かったら、またなんか対策を考えればいい。きちんと2つに折りたためなくてかなりずれているが、細かいことは気にするな。少々ずれて隙間が多い方が、空気がよく流れるのでは?(と勝手に自己納得)。

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 なんというやっつけ仕事感。なんだかすでに変色しているけど、これは結局煙が回り込んでるっていうことだな。ということは、そのうち(スチームで?)洗わないといけないな。ならば、取り外せるような手段も考えとかないといけないってことか。面倒そうだ。

金網方式の効果は?

 さて、それでは金網の効果はどうだろう? 金網付きのMDF板を元のMDF板の上に置いて、きちんとフォーカスを取り直す。ヘッドはかなり上下できるので、金網を置いてもちゃんと調整できるのがありがたい。

 で、さっきと同じ条件でやってみたのが次の写真。なんか、白いよ、紙が。さっきは右の方がちょっと茶色くなっていたのに、ほとんど色は変わっていない。右の方がちょっと黒いが、これは炭化した部分を指でこすってしまったためだ。少なくとも茶色ではないな。

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 次は裏側の写真を。

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 驚くべきことに、かなり白いままである。よく見ると左の方がほんの少し茶色くなっているが、元のMDF板直置きよりははるかに白い。もっというと、「MDF板直置きの場合の表側よりも白い」。これは素晴らしい。

 単独の写真だと分かりづらいので、2枚並べて同一条件で比較できるようにしてみた(トリミングとリサイズのみ。色調整や色調調整、シャープネスなどはなし)。まずは表側である。上側がMDF板直置き、下側が金網置きの例である。上側の方が少し変色している。

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 次は裏側である。やはり上側がMDF板直置き、下側が金網置きの例だ。上側はいやになるくらい茶色いが、下側は非常に白いままである。どうです、この白さ!? 劇的な改善だ。でもよく見るとほんの少し茶色いのだが、前よりはるかにましだ。

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 金網を敷くとなぜ茶色くならないか。最初の予想通り、煙が分散して紙にくっつかなくなったためだろう。それにPodea-01のヘッドにはファンが付いていて、常に上から紙に向かって風が吹いている。そのため、煙が紙にくっつくことなく、金網の隙間から、「どこかへ(どこ?)」吹き飛ばされ、分散しているのである。でも結局はどこかで紙に接触しているので、完全に煙を除去することはできてないようだ。

金網作戦の結果は?

 というわけで、この金網作戦は大成功だったと思う(個人的には)。しばらくはこれでいこうと思う。が、よく見ると、実は金網の網目パターンに沿って、少し茶色のまだら模様が付いている。もうちょっと小さい目の網でも試してみる必要があるようだ。あと、金網はすぐに曲がりたがるみたいなので、全体が水平になるように注意する必要がある。1mmも浮けばうまくカットできない場所も出てくる。最終的には金網を下のMDF板に釘か何かで固定しないといけないかも。また、曲がりやそりなどを考慮して、ヘッド速度はぎりぎりじゃなくて、少し遅めに設定する必要があるかもしれない。でも遅いと余分に茶色くなるし。。。このあたりは、今後試行錯誤するつもり。

 なお、この金網を試す前に、1cm程度の穴が規則的に空いたアルミ板(アルミのパンチングメタル。例:こんな奴)などでもテストしている。が、そういうのはみんな失敗だった。穴の形状に沿った薄茶色の丸がたくさんできてしまって、やっぱり見苦しい結果になった。紙との接触部分がなるべく少なく、それでいて平面性を保てるような方法が望ましいようだ。目が細かくて、空気がよく流れて、非常に薄い板でできたアルミハニカムパネルがあればいいんだがなぁ。いや磁石にくっつくのがいいから、極薄の鉄板製がいいか。。。

 ちなみに、紙の下に金網があるので、レーザー光が金網を構成する針金に当たってあちこちへ乱反射する。この反射のせいで紙が裏側から焼かれて、余計な穴が空いてしまうのではないかとも心配したが、結果的にはそれは杞憂だったようだ。針金の表面は曲面だから、針金に当たったレーザー光は必ず広く分散することになる。するとレーザー光の焦点が定まらず、パワーが分散して紙をカットできないから、ではないかと推測している(知らんけど。無責任ですいません)。

さらなる白を目指して

 今は金網を直置きしているだけなので、網の下の空間はほとんどない。もっと隙間を空けて空気の流れをよくすれば、もっと白くなるのではないだろうか。

 と考えて、幅1cmほどの棒などを下に何本か置いてみた。だが、この作戦は失敗だった。本数が少なかったのか金網の平面性が保てなくなり、レーザーとの距離が場所によってかなり狂って、カットミスだらけになってしまった。金網の固定方法も含め、もう少しいろいろ工夫すべき点が多々あるようだ。

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1 コメント

  1. アワカツ より:

    こんにちは。
    実験すばらしいですね!探求され、研究を繰り返しされているのに驚きました。
    最近時間がなくてpodeaに触れる機会がなかったのですが、これを見てしまったら、やる気がおきました。
    私も参考にさせていただきます!