前の「Podea-01のカットで紙が茶色くならないようにする方法」で作業用テーブルのMDF板に金網を置く方法を紹介したけど、あのときは金網を単に置いただけだった。これをちゃんとしたものにするための、金網の固定方法をちょっと考えてみた。今回は、その中間レポート報告だ(誰も待ってないけど)。
金網を固定する方法はいろいろあるだろうが、とりあえず一番簡単そうな手段を考えてみた。それは簡単、「金網を台となる板に釘で打ち付ける」だけである。あんまり面倒な方法だと、今後作り直す時に面倒だし、これを読んでいる人(いる?)が同じようにやるのに困るかもしれないので。
用意するモノ:金網、板、釘、トンカチ
用意するものは、金網と台(Podea用語では「テーブル」)にする板、そして釘だ。金網は前回使ったのではなく、手元にあったのを使ってみた。何のために、いつ買ったのか忘れたが(そんなものが手元になぜかたくさんある。ちゃんと使えよ>わし)、とりあえずA4サイズのが数枚あったので実験のつもりで使ってみた。1枚だと薄すぎるので何枚か重ねるといい。今回は4枚使用している。新規に買うなら、あんまり柔らかいのはダメだと思う(なんとなく)。この金網の目は、1インチあたり10目くらい、つまり1目当たり2.54mmぐらいだ。前回のテストで使った金網はメッシュサイズは2mmぐらいだったから、それよりちょっと広めだ。3~4mmくらいまでは使えそう。でもそれより大きいと、表面の平面性が保てなくなりそうなのでお薦めできない感じ。
釘は、長さ10mmくらいがこの場合はいい感じ。網4枚重ねると、だいたい厚さ3~4mmぐらいになるので、このくらいないとすぐに抜けてしまう。6mmくらいの釘でも試したけど、すぐに抜けてしまったので、まったくダメな感じだった。
さて、このまま釘を打ち付けても、くぎの頭部分が真っ平らなのがちょっと心配だが(レーザーが真上に反射しそうなので)、まぁ細かいことは気にせず、まずはやってみよう。
どのくらいの間隔で釘を打つのかは完全に試行錯誤の世界だが、とりあえず次のような感じで打ってみた。金網が浮いていそうなところを狙って、数cm間隔で打ち付けてみた。
この写真で分かるだろうか。下の板はほぼA4サイズのMDF板(22.5cm×30cm×厚さ12mm)である。確か東急ハンズで買ったような気がする。これは規格サイズ(の整数分の1サイズ)なので、あらかじめカット済みで大量に売っていた。釘の打ち方は、とりあえずこれも適当。金網が浮いていそうな所に打ち込む。後でまたはがして作り直すつもりなので、まずは手前半分だけ釘を打ってみた。まだまだ改善の余地がありまくりだが、まずは実験を優先したい。
この写真だと、釘の頭のところがやや飛び出しているように見えるが、そう思ったら、さらにぶっ叩いて、全体がほぼ平らになるようにしておく。4枚重ねた網は高さ3mmほどになっていて、前回の2つ折りの金網(厚さは2mm弱か)よりも隙間が多そうだ。その分、排気も期待できそう。
なお釘の頭が平らだが、これだとレーザーが真上へ反射して、よくないような気がする。紙が勝手に下からカットされそうだし、ひょっとしたらレーザーヘッドの中へレーザー光が戻ったりするかもしれない(ほんとか?)。なので、いわゆる「つぶし釘(頭を横から叩きつぶした釘)」とか「U字型釘」にするべきかとも思うが、面倒なのでやってない。そのうち必要なら考えることにする。
カット結果はどうよ? → 驚きの白さに!
さて、この金網板を使ったカット結果は? まずは表側の様子から。左側がMDF板に直置き、右側がこの金網台上に置いてカットした場合の例である。紙は、前回と同じく厚さ0.17mmのケント紙。カットパワーは100%、カット速度は7.5mm/secとした。
拡大するとこんな感じ。左が直置き、右が金網置きである。左側の方がちょっと黄色が目立つ感じだ。なお右側には赤い矢印をたくさん書き込んであるが、これはカットミス部分である。詳細は後述。
この写真だとちょっと分かりづらいかもしれないが、直置きの場合(左側)の方は、カットした場所の周りがうっすらと黄色くなっている。特に細い線の周辺が目立つ。右の方はほぼ真っ白で、黄色くはなっていない。むしろカットした線が黒くなっていることの方が目立つ感じだ。
お次は、裏側の様子だ。明らかに左側のMDF直置きの方が茶色くなっている。これに対して右側は白いままだ。前回の実験結果よりも黄色い部分が少なくなっているのは、やはり金網の部分の厚さが増えたから、つまり、その分煙が逃げやすくなったからではないだろうかと推測される。結構なことだ。
これも並べて拡大すると、こんな感じ。
分かりやすくなるように、個別に拡大してみよう。まずは、MDF直置きの場合の裏側の写真。かなり汚れている感じだ。
次の写真は、金網置きの場合の同じ場所。ほとんど汚れていないように見える。これ、裏側ですよ、裏側。すごく白い。
というわけで、前よりも金網部分の厚さが増えたためか、より白くなった。これは素晴らしい。期待以上の結果だ。なお、つぶし釘にしていないけど、その影響はとりあえず何もないみたいでよかった。でもこのまま全面に釘を打って固定するよりも、さらに金網部分をかさ上げする方法を模索しようと思う。
金網作戦はいいことばかりか?
ところでさっきの写真で1カ所、とんでもないことになっているのに気が付いただろうか(赤い印を付けた部分)。そう、カットミスである。金網に置いたバージョンでは次のようなカットミスがあった。まず表側の拡大写真。赤い矢印部分のカット具合がおかしい。カット線がすごく太かったり、まったくカットされていないところがある。これはひどい。
同じ場所の裏側はこんな感じ。
見れば分かるように、レーザー光が裏まで届いていない。
その原因は明らかに「紙の浮き」だ。カット中の様子をのぞき窓から見ていると、その部分の紙が浮いているようだ。1mmほどだろうけど、カットした紙がそり返ったり、全体的に浮いたりして紙がヘッドに1mmほど近づき、フォーカスミスとなって、カット線が太くなったり、さらにひどいとカットできなくなったりしている。
この現象はMDF直置きの場合でも起こりそうなもんだが、実は紙がMDF板に焼き付いていて、そり返らないから大丈夫らしい。カット後、小さく切りきざまれた紙パーツがよくMDF板に張り付いていることからも分かるように、MDF直置きの場合はうまく下の板にくっついているみたいだ。金網の場合は、くっつかない代わりに、紙が反り返ることがあるようだ。またヘッドから下向きに少し空気が出ているが、その空気(風)がカットした部分に回り込んで、カット済みの紙を押し上げているのかもしれない。風が下へ完全に抜けるように、もっと下の空間を広くできれば症状は軽減するかも。。。
さーてどうやって解決するかなぁ
で、これを解決することは、うーーーん、実はちょっと簡単ではない。いまのところは紙を置くときに周囲になるべく多くの「押さえ」となる重りや金属の板などを置くことにしている。ヘッドまでの距離が8mmほどあるので、厚さ5mmで、幅10~20mmぐらいのアルミや真鍮、鉄などの板を買ってきて押さえにしている。紙の位置決め用治具もそのうち作るつもりなので、押さえ機能も持たせたものを作れないかと、これまた思案中だ。
おまけ:またもやPodeaにトラブル発生
前にPodeaの配線が一部断線したと書いたが、今度は新たに2本も同時に断線した。前と同じく、ヘッドと制御基板をつなぐコネクタ部での断線だ。ただし以前はオス側だったが、今度はメス側だ。この網実験などを含め、よくヘッドを上下させていたからだろうか。レーザーがまったく光らなくなったので気が付いた。ただし断線というよりは、今度は配線が「抜けた」みたいだ。コネクタのピンと電線は圧着されているが、どうもその圧着が甘くて、しかも短かすぎて、抜けてしまったようだ。初期ロットだし、人生いろいろあるわな。ふぅ。また半田付けして直すか、と作業したら、半田付けすぎてピンの内部が半田で埋まって(おぃ)、コネクタをさせなくなっちゃった。てへへへ。しょうがないので、手元にあったPCの電源コネクタをバラして付けたが(しかも2pコネクタ×2。元は4pコネクタ。色も変)、かなり見苦しい仕上がりになってしまった。トホホである。こんなに変なことばかりしていると、そのうち壊れてしまうかも(レーザーダイオードは静電気に弱いらしい)。注意せねば。でも以前はなんとなく横方向のカットでばらつきがあったような気がしていたが(ヘッドが横方向に動くときに接触不良を起こしていたのか!?)、なんとなく治ったような気がする、気がする、気がする、気がする、気がする(気分の問題かもしれないが)。